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歯列矯正のこんな対策

「Mさん宇宙を行く」をご覧になった方は、実験に30個のタマゴが一緒に打ち上げられたことはご存知と思います。
私たちの研究班(班長、口腔生化学・S教授のほか、班員として口腔病理学Y教授と歯科矯正学として私も参加しました)が、宇宙でニワトリのヒヨコの骨がどのようにできるか、その経過や状態を研しょうという実験です。 骨のでき方の研究は宇宙まで使って進められているのです。
これまでのアメリカの研究では、受精間もない卵は、全部死んでしまったため、生命の発生には重力が必要という説が広まっていました。 今回の私たちの実験では、受精直後の卵が1個宇宙から無事戻っています。
この研究の成果は、骨粗霧症はもちろん歯槽骨がどのように形成されまた吸収されるのかという、歯科矯正治療の大きな研究課題にも、やがて貴重なデータを提供してくれると思います。 この他、成人の矯正治療で一番問題になるのは、やはり歯周疾患です。

歯周組織、なかでも歯根膜組織に炎症がある時は、矯正治療はお手あげです。 では歯槽膿漏の人の矯正治療は、絶対駄目でしょうか。
必ずしもそうではありません、炎症がきちんと治り、骨の吸収程度によってはOKサインがでます。 繰り返しになりますが、矯正治療といっても歯根膜組織に何らかの程度の炎症をおこすものです。
病的な炎症が先行していれば、一層それが促進されてしまいます。 仮に炎症が悪化しないまでも、移動後に新しい骨ができません。
歯がブラブラするだけです。 健康で生きている歯根膜・歯肉それに吸収像が少ない歯槽骨とセメント質、この道具立てが成人矯正治療の絶対条件です。
歯槽膿漏だった人でもきちんと専門的な適確な処置をすませてあれば、矯正治療を受けられる可能性は十分あります。 私の同級生のN博士(T歯科技工士専門学校・T歯科衛生士専門学校長。
東京の港区と千駄ヶ谷区で開業)は歯周病専門の学級肌の先生です。 私は矯正歯科分野の顧問医をしていますが、先生が専門医であるだけに、いわゆる歯槽膿漏の患者さんが大変多いのです。
患者さんのなかには、歯並びが悪くて歯周疾患になった人も多いのです。 歯槽膿漏が治れば、ある程度矯正が必要という患者さんもいます。
先生は、こうした患者さんに良く説明し、症状によっては治療の終了後に矯正治療を勧めて下さいます。 患者さんは、自分の歳になっても歯並びが治せると聞いて、大変喜ばれています。

それを列挙すると思っているので、協力度が非常に高いのです。 正確にいえば、初動が遅いだけです。
最初の3ヵ月が我慢のしどころです。 その後はむしろ意外なほど早く進みます。
土曜休校が始まっても、予約日時を決めるのには制限があります。 大人の場合は、予約時間をとることが自主的に決められ易いので、かえって楽なのです。
大人の矯正治療の場合、最初のうち歯はスイスイとは動かないことを「初動が遅い時期」といいます。 これは大事なことです。
私は、成人矯正の場合にはむしろある程度、初動を遅くする必要があると思います。 急がば回れです。
その理由のひとつは、大人は子供と違って、ブレースに対する順応性はどうしても低いからです。 まず装置に慣れてもらって「始め処女のごとく後は脱兎のごとし」(現代的な表現ではなくなってしまったかも知れませんが)がいいようです。
通院は普通月一回です。 もうひとつ、諦めないで欲しいことがあります。
それは神経(歯髄)をとった歯でも、動かせるということです。 成人の方には、こうしたいろいろな治療を受けた歯が沢山あって、矯正はもちろん可能です。
大人の骨は確かに硬くなっています。 正確には、骨の表面の皮質骨です。

皮質骨は、骨の中心部の骨髄などとは比較にならないほど硬いのです。 硬い骨(の細胞)を溶かしながら歯(歯根)を動かすのは、氷のなかに船を進ませてゆくようなもので、大変です。
砕氷船を進ませるように、船の構造にも、進ませ方にもひと工夫が必要です。 大体歯の移動は、上あごのほうが楽です。
下あごは歯の植わっている部分(歯槽堤)が狭く、皮質骨で歯が取り巻かれているからです。 その点、上あごの皮質骨は頬側に発達し、口蓋のほうは薄いのです。
抜歯も上あごのほうが楽なのはそのためです。 下あごに麻酔の注射針を刺すのには、結構力が要るものです。
麻酔薬の浸透が悪いのも、この皮質骨が厚いためです。 大人と子供では、骨の構造上の違いを含め、治療に対する考えはいろいろな点で、随分違ってきます。

神経をとられた歯は、「失活歯」などと呼ばれるように、確かに肝心の歯の神経は死んでいます。 歯髄診断(パルプ・テスト)といって、果たしてその歯髄が生きているのか死んでしまったかを調べる方法があります。
歯の生死は、視診(肉眼での観察)や、打診、動揺度検査、温冷度反射やレントゲンで検査でも分からないことがあるからです。 そこで登場するのが、電気歯髄診断器といって歯に当てた電極からパルス状の通電で歯髄神経を刺激し、その一定の範囲内で痛みを感じたら歯髄(生活歯髄)は生きていると判定します。
ところで、死んでしまった歯が、生きている歯のように動くのはなぜでしょうか。 それは、歯髄は死んでしまっても、歯根の表面をおおう二次セメント質の細胞が生きているからです。
歯根部をおおうセメント質には、一次・二次の2種類があり、この二次セメント質にだけセメント細胞が生きています。 セメント細胞が生きていれば、歯根膜組織との連絡があり、歯の支持組織のひとつとしての働きが続きます。
もっとも同じ失活歯でも、動かない歯もあります。 歯髄が死んだ理由によります。
困るのは、怪我などで強い衝撃を受けて歯髄が死んでしまったりした場合です。 強い衝撃のため、歯根膜が破壊され血管も押しつぶされると、その部分が壊死になることは、前にも書いた通りで、そこの歯槽骨とセメント質がやがてくっついて(骨性癒着)しまうのです。
歯と歯槽骨が癒着してしまうことは、乳歯でもよくあります。 癒着の程度にもよりますが、移動は期待できなくなることが多いのです。
昔から、根をつめて針仕事などをしていると、肩はこり、頭も痛いし、歯も痛くなるといわれています。 血圧などは、簡単に上昇します。
「あるびよん」という雑誌の懸賞論文に応募して、論文を書いた時のことです。 既に歯医者になっていたので、確かに歯を食いしばって書いたことを今でも良くおぼえています。

その後1週間というものは、本当にあごが曲がった感じのままで、動かすのが痛くて困った経験があります。 ドーバー海峡を隔てたヨ−ロッパから眺めるとロンドンの海浜が白亜質のような砂地だったために、白く見えたのでその名があります。
歯の表面をエナメル質、歯根の表面はほうろうセメント質といいますが、昔はそれぞれ砿郵質、白亜質といいました。 「あるびよん」も、語源を調べると多少は歯に関係があるのです。
顎関節症というのは、という三大症状があります。 このほか、側頭部や肩こり、人によってはメマイなど、さまざまな症状を訴えます。
不思議なことに、男性には少なく、女性に多い傾向があります。 あごの関節には、体のほかの関節とちがって、下あごの頭の部分とその受け皿である関節のくぼみの間に関節円板という一種の緩衝材があるのです。

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